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T.Kさんと植田君 | パソコンに向かう植田君 | ADAMさん |
植田惣二郎
私には海外旅行大好き人間の私より、もっと本物
の海外通の友人が二人います。 その二人の友人、亀
さん、八さんに一度マイナス50度の世界を体験に行
きませんか、と誘われました。亀さん。高校から米国
で過ごし、英語と中国語を自在に操り、自動車整備、
危険物取り扱いに詳しいという非常にあやしげな人で
す。
八さん。外国航路で仕事をする事30数年、日本より
も世界中の港町の方がよくしっているという、これ又
あやしげな人である。
二人の添乗員+私という気らくな三人旅で、目的地
であるカナダ北部のイエローナイフに向かいました。
バンクーバー、エドモントンと乗り換え、現地に深夜
に到着。ホテルにチェックイン後、すぐ重防寒服に着
替え、ホテルより車で小一時間かかる郊外のオーロラ
観測地へと現地のドライバー氏の案内で出かけました。
凍結した道路は寒すぎる為滑る事なく固まった砂地の
ようである。100に近い猛スピードで走らせていく
車窓から夜空を見上げていると、おぼろげな虹色のオ
ーロラが出てきた。ドライバー氏はおかまいなく深夜
の凍結路を飛ばしていく。突然、急にスピードを下げ
右端に車を停め、言いました。「君達は幸運だ!!」
「これは滅多に見られないオーロラだ!!」「私でさえ、
年に一度みれるかどうかのものだ」「見て!!」「踊っ
てる!!」
暗闇に広がる虹色のカーテンのようなオーロラが一
瞬のうちに縦長のガラス棒が集まったブラインドの様
になり、キラキラ輝きながら右へ左へ移動する。眠前
から突然消えたと思っていたら、又パッと現れる。ほ
んの数分のドラマであった。そして又もとのゆっくり
動く虹色のカーテンに戻っていった。
オーロラは太陽活動で放出された帯電微粒子が大気
中の原子や分子と激突して光を出す放電現象です。で
すからオーロラ観測には、まず天侯が快晴である事、
月あかりさえない新月の前後である事、よく乾燥して
いる事等の条件があれば、かなりすばらしいものが期
待できると思います。
翌日は小さなセスナ機でポーラベアを見にいきまし
た。出発前にこのツアーのリスクは自分の責任におい
て負うと署名させられ、非常用キットを確認するよう
指示されました。さて、この箱の中味、一体何だった
と思いますか? 私はたぶん非常食、薬のたぐいがは
いっていると思い、中をのぞくと、何と「火を起こす
ストーブ」「釣具」「ピストル」でした。もし遭難し
たら救助がくるまでこれでがんばれ、という事なんで
しょう。
夕刻、今日は暖かい! マイナス17度だ! という事
で、ホテルのすぐ近くにある世界最北地のマクドナル
ドへでかけました。ウェイトレスの女の子達は皆、日
系人のような顔立ちのイヌイットのお嬢さん達です。
何年か前にこの店がはじめてオープンした時、イヌイ
ットの人達が3日間犬ゾリを走らせ、やってきてビッ
グマックを一つ買って帰ったという話があるそうです。
犬ゾリも経験してみました。防寒には相当気をつか
い、姫路の某アウトドア専門店で、マイナス20度位
まで充分大丈夫という防寒革靴を持っていきましたが、
マイナス50度近くには勝てません。ただ一箇所だし
ている眼は、まつげが凍結、足の先が凍傷になりはじ
めました。あわてて避難テントへかけこみ、暖をとり
ました。イエローナイフには3日間滞在し、毎夜オー
ロラ観測にでかけ、幸運にも3日間ともオーロラをを
見る事ができましたが、あとの全ては皆様も写真でみ
られた事があると思う、青白い帯状のオーロラです。
もちろんこれもすばらしいのですが、初日の数分間の
ドラマがあまりにも強烈であったので、あとは少しも
の足りなかったおもいは否定できません。皆様も機会
があれば是非マイナス50度の世界を経験してみて下
さい。必ずすばらしいオーロラとも対面できると思い
ます。