
やはり、赤穂ネット「愉快な旅人」ボードから・・・
【TRAVEL/MAIN No.797】著者 I.P 1995/07/07 18:50:25 994 byte
《このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その1)>I.P
7月3,4,5日と、2泊3日の駆け足で韓国のソウルへ行ってきた。
韓国なんて、もう数年は訪れていない。前に行ったのが、ロッテワールドが半分だけ
完成した頃だった。
3日の早朝、午前6時に姫路駅南からバスで出発した近畿自動車道に入る時、大渋滞
に巻き込まれ、30分間で僅か、20メートルほどしか進まないのでこれでは、遅れ
るかも?と心配していたが、その合流する混雑地点を通過すれば、再びスムースに流
れ出した。約半時間の遅延で済む。旅行社も最初から渋滞は覚悟していたようだ。帰
国してから、これが正解だったと知った。強風で、「はるか」が運行ストップしてい
たそうだ。もし、列車なら予定便に乗れなかった
私は、関空から、出国するのは、これが最初だった。
海の真ん中に突然出現した人工島。それが24時間離着陸できる関西国際空港だけれ
ど、姫路からなら、以前の伊丹のほうが便利だ。
天候も悪く、もしかすると欠航になるかもと思っていると、少し遅れて搭乗開始のア
ナウンスがあった。
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.798】著者 I.P 1995/07/07 18:50:58 1392 byte
《コメント先 No.797 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その2)>I.P
2時間足らずのフライトで、キンポ空港に到着した。韓国特有の匂いが漂っている。
ニンニクが発生源となる匂いだが、最初は気になるが、しばらくすれば慣れて気にな
らなくなる。気温は、日本と比べて暑い。空気が乾燥しているから、日陰に入ると涼
しい。
空港から、専属のカメラマンがピタリと我々一行をマークする。スナップ写真を撮影
して、帰国するまでに、発注、納品までこなしてしまう。時間との勝負のような職業
だが、腕のほうも大切だ。ヘタな写真なら買う気になれない。
空港で、出迎えてくれたのは、友好クラブのメンバーだ。胸ポケットに一輪挿しを刺
してくれる。旅行社のワッペンもつけると、たちまち団体旅行の一行さんというスタ
イルになった。
すばやく空港の銀行で当面必要な小銭だけ両替する。1万円で、8万数千ウォンにも
なる。急に金持ちになった。換算の問題は、どこの国でも、ややこしい。嘘のような
話だが、先輩が、韓国で食事をして、2名で2万ウォンと言われ、1人1万円づつ出
して勘定したそうだ。韓国の店の人は、有難うと喜んだそうだ。後で気が付いて悔し
い思いをされたそうだ。
チェックイン時間までの時間潰しに市内観光。
アチコチ引っ張り回されて、ようやくホテルにチェックインした。夕食は、歓迎会も
兼ねて、どこかのレストランへ行くそうだ。シャワーを浴び、ベッドに寝転ぶ。どう
せ、焼き肉レストランだろうと、ジーパンにTシャツにした。ラフな格好がいいだろ
と判断したが、これが失敗だった。
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.799】著者 I.P 1995/07/07 18:51:36 1554 byte
《コメント先 No.798 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その3)>I.P
バスの中で気がついたが、ラフな服装は、私一人だけだった。皆、スーツにネクタイ
をしている。しまったと思ったが、手遅れだ。まぁ、いいか
韓国でも格式のあるような料亭に案内してくれた。こんな段取りになっていたのなら
正装するべきだった。型通りの挨拶や紹介、乾杯の音頭が済み、やっと料理に手がつ
けられる。
料理は、焼き肉など一切出てこない。韓国式料理のフルコースだった。箸は鉄製だ。
きむちや、韓国式お好み焼きチヂミは、日本でも馴染みがある。そういうものなら口
にしても平気だが、中には得体の知れないものもある。お互いに牽制し合いながら食
事を進めていく。私も人が食べるのを見てから、料理に手を出したほうだ。
わたり蟹の生を口に含んだ時、腐っているのではないかと一瞬、思った。こんなもの
が食べられるのかと思って、相手を観察していると、実に、おいしそうに口に運んで
いる。これは、食べ物文化が異なるから仕方のないことだと思う。以前、アメリカで
インスタントみそ汁を飲んでいる時に、アメリカ人のご婦人が、その飲み物は何かと
尋ねるので、一袋進呈してあげたことがある。親切にも、湯に溶いてあげた。口もと
で臭いをかいだとたん、顔をしかめられたものだ。
この店は、日本人の観光コースから外れている。自国の人間だけを相手に営業してい
るような店だ。日本人は我々だけだったようだ。
焼き肉期待の夕食会は、まったくあてが外れてしまった。
到着日は、夕食会のあと、ホテルに帰って部屋に入ったまま、どこへも行かずにシャ
ワーを浴びて、読書で時を過ごした。今回の韓国訪問は、公式行事に出席する為で、
物見遊山の旅ではない。翌日に備えて部屋で休むことにした。
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.800】著者 I.P 1995/07/07 18:52:21 1888 byte
《コメント先 No.799 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その4)>I.P
モーニングコールなど、あてにならない。約束の時間が過ぎているのに電話は鳴らな
い。他の連中の部屋も同様だったようだ。皆、一様に文句を言っていた。
朝から、白いTシャツ、白いズボンに白い靴という白一色に統一した集団が三々五々
バスに乗って、オリンピック競技場へ向かう。そして、浮世絵を染め抜いたハッピを
身にまとう。これが、日本からの参加者の目印になっている。世界中から、それぞれ
のお国の衣装でパレードに参加する。
日本は、80番目のスタートだった。その数、およそ800名。北海道や四国からも
参加している。四国だけは、阿波踊りを披露するので、ゆかた姿だった。日本からの
参加者だけでも壮観なのに、全世界の仲間が集う国際大会ともなれば、規模も破格で
まとまりがつかないだろうと思っていたが、服装と色で統一すれば、見事に存在感が
ある。
この白いズボンを何処で調達するかという問題には、皆、頭を悩ましたものだ。素材
は何でもいいが、真っ白のズボンと注文がついている。私も、先輩に教えてもらって
ザ・モールへ行った。サイズが揃っていないので半ば諦めて帰ろうとした時、知り合
いの女店長に、西武のコーナーにもあると案内してもらった。価格は、覚悟していた
値段の3分の1で、ピタリのサイズがあった。帽子もTシャツも発見した。手配がで
き、安心していたら、産婦人科医の先生から電話があった。白いズボンは何処で買え
ばいい?という問い合わせだった。先生は当初、不参加だったが、立場上、参加する
ことにされたらしい。早速、ザ・モールを教えてあげた。
色で統一し、細部はかまわないという手法は、外国の発想だ。サンフランシスコの海
に面した家は、法令で何年間に1度、ペンキを塗るというように決まっているそうだ
が、海上から遠目で見ると実に美しい。近づくと、大工仕事の粗さが気になるが、そ
れは日本人だけのことだ。店装でもそうだ。SCのテナントの店なんかは、大胆に色
調で統一している。細工がどうのなどとは文句をつけないようだ。
スタートする順番を待ちながら、各国のコスチュームを眺めていた。
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.801】著者 I.P 1995/07/07 18:53:01 1662 byte
《コメント先 No.800 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その5)>I.P
今年の韓国は、JC,ロータリー,ライオンズの国際大会を総なめに自国へ招へいし
ている。国威の発揚に絶好のチャンスと考えているのだろう。
確かに、そんな団体の国際大会ともなれば、相当な人数が押しかける。それだけの人
数に対応できるだけの設備の自信がなければ、とても候補地とはなれない。
ガイドさんの説明で面白いカ所があった。38度線で分断されている北の代表団が韓
国に来て、車の数が多いのに驚き、これは我々が来るというので、日本や他国から借
りてこられたのか?という質問に応じて、車は借用したとして、あの高層の建物群も
借りてきたとお思いですか?と述べたそうだ。
炎天下の行進は、辛い。前がスムースに進まないので、ダラダラと歩く。ウチワの支
給は有難かった。絶えず、バタバタとあおぐ。これも計算に入っていたようで、全体
が同じ動作をしていれば、遠方からは、統一した所作に見える。本部席前を通過すれ
ば役目は終わる。わずか、2キロ弱の距離だったが、汗が噴き出して困った。
昼食会場は、パレード終了地点の近所を予約してくれていた。とにかく、冷えたビー
ルが飲みたい。ビールの銘柄なんかはどうでもいい。昨夜は、あてが外れ、焼き肉が
出なかったが、今度は、最初から肉が待っていた。ハサミで切りながらどんどん焼い
てくれた。飢えた狼のごとくガツガツ食べる。ごはんに、肉汁をかけて食べてみると
おいしかった。本式の食べ方だそうだ。
今日は、これから、もう1件の公式行事が残っている。今度は、スーツにネクタイ姿
でなければならない。ホテルに帰ってシャワー。行進と食事で汗まみれになった体に
は気持ちが良いものだ。生き返った気がする。小1時間はベットに寝転んで汗が引く
のを待つ。眠り込んでしまってはいけないので、テレビをつける。また、新宿で青酸
ガス騒ぎか
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.802】著者 I.P 1995/07/07 18:54:15 1672 byte
《コメント先 No.801 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その6)
ホテル・シーラには、免税売店がある。夕食会場も、ホテル・シーラなので、少し早
めに行って、免税売店に寄ることになっていた。ガイドが無造作に入場券を配る。誰
が入ってもいいようだ。ただ、品物は、税関を通過した空港内のカウンターでしか受
け取れない仕組みだ。
印刷屋をしている仲間が何かを購入して受取日が違っているのに気づいた。コンピュ
ーターの登録ミスだ。団体毎に、氏名、電話番号、生年月日等、検索しやすいように
免税店のコンピューターに登録している。我々の団体は、2泊3日、3泊4日、4泊
5日などと、バラバラなのだ。普通は、団体であるならば帰国日も一緒のハズなので
先入観から、そういう登録になったものと思う。パスポートも何の身分証明も必要な
く買いものが可能なわけは、コンピューター化が進んでいるからだ。
検索で1番早いのは、電話番号検索のようだ。市外局番から入力すれば、たちどころ
にデータが表示される。NTTの検索を思い出した。私が、パソコン通信を開始する
に当たって、最近、モジュラージャックの工事をされた家を教えてもらった時、たち
どころにADAMさんの家がディスプレーに表示された。(もう何年も前のことだ)
旅行社に言って、全メンバーのデータを確認してもらい訂正の手続きを頼んだ。
シーラでの晩餐会には、日本人ばかり800名ほどが集合した。会費は1万円。異国
で、これほど大規模の宴会も珍しい。それも、今年の国際大会がソウルという近場で
開催されたからだろう。会場に参加しているメンバーは、それぞれの地域では、地位
の高い人ばかりだが、こういう場では、ほとんどがフロァーのメンバーとなってしま
う。世界は広い。世間も広い。
適当に食事した後は、先に抜け出して、ウォーカーヒルのカジノに行こうと計画を立
てた、ソフト会社社長と産婦人科の先生親子もいた
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.803】著者 I.P 1995/07/07 18:55:11 1328 byte
《コメント先 No.802 このメッセージに対するコメントが 1件あります》
『題名』韓国(その7)>I.P
これで、予定されていた公式行事は全て済ました。あとは、帰国するだけのことだと
気楽な気分になって、ホテルにもどってきた。バスの中で、先輩が旅行会社の添乗員
をつかまえて、くどくど文句を言っている。どうやらホテルを別にしたのが、おかん
むりの理由のようだ。
その文句を真似て、店装屋の「くろちゃん」が私にからんできた。何処へも案内して
くれへん、一体どないなっとんのや?
そうか、昨夜は部屋に閉じこもって本を楽しんでいた。もし、今晩、どこへも連れて
行かなかったら、帰国してから何を言われるかわからない。密かにサービス精神を発
揮してバスを降りた。
ホテルのフロントで、女性メンバーも何処かへ行きたいような素振りをしている。金
庫屋の社長が、横から口を出した。もし、どこかへ行きたいのなら、一緒に行きまし
ょうか。(言わなくてもいいのに女性を連れてカジノへ行けば、帰りの面倒も
みなくてはならない。)
本当に行くのかと尋ねれば、もじもじして今回は見合わせるとの返事だった。結局の
ところ、私が振られた格好になってしまった。もっとも、心の中では助かったと思っ
ていた。
こうなれば、金庫屋と店装屋を連れて、ウォーカーヒルのカジノだ。部屋でラフな服
装に着替えて20分後にフロントと、自分でもほれぼれするテキパキさで行動予定を
指示する。20分あれば、男の場合、シャワーも使える。女性だと、そうはいかない
と思う。
インスピ (つづく)
【TRAVEL/MAIN No.804】著者 I.P 1995/07/07 18:55:56 2196 byte
《コメント先 No.803 このメッセージに対するコメントが 2件あります》
『題名』韓国(その8)>I.P
韓国で唯一のカジノが開かれているのが、ウォーカーヒルだ。昔に訪れたことがある
が、ほとんど記憶が薄らいでいる。カジノは、やはりラスベガスが本場だ。
2泊3日の韓国旅行なので、あまり自由時間はとれないと諦めていた。2日目の公式
行事を2つ済ませたら、あとは寝て帰国するだけのものだ。私は、部屋で読書でもし
ていれば、それで充実した時を過ごせる。どこへも行かなくても一向に平気だ。
ところが、それでは収まらない男がいた。釣りが好きで、以前に隠岐島へ一緒したこ
ともある男だ。折角、異国へ来ているのにどこへも案内してくれない。などと不満顔
だ。そんなこと私の責任ではないが、初めて来た韓国で、2晩もどこへも連れて行か
ないのは少し可哀想だ。仕方ない、ウォーカーヒルへでも案内するかとサービス精神
が発揮したのがことの始まりだった。
タクシーで30分のところに、ウォーカーヒルはあった。確か、ずっと以前に一度だ
け来たことがあるが、ほとんど忘れている。地下1階にカジノがあった。入り口で入
場料というか利用料金を払う仕組みになっていた。日本円にして250円程度。
それにしても、静かだ。カジノ特有の喧噪さがない。カジノは1ケ所だけだと言って
いる。入ったところが、サイコロバクチのコーナーだった。ここで、ホテル・シーラ
を途中で抜け出した、産婦人科の先生親子とソフト会社の社長を見つけた。この時間
まで頑張っているところをみれば、負けたに違いない。
ルーレット、ブラックジャック、バカラとあるが、カジノの花形であるスロットマシ
ーンが1台ない。聞けば、全部、撤去してしまったそうだ。道理で静かだったのだ。
しかし、スロットマシーンは絶対に必要だと思う。ラスベガスのカジノを見ている私
には、このウォーカーヒルのカジノはどうも貧弱に見える。第一、場内が狭い。
それに、来てみて思ったが、バクチをしたいと思う気持ちも薄れている。でも来てし
まったからには仕方ない。10万ウォンだけ、ブラック・ジャックをした。当然なが
ら負ける。
産婦人科の一行も、きっちり負けて帰ってしまった。しつこいのは、「くろちゃん」
だ。ブラックジャックもルーレットのルールを説明してやったが、サイコロ賭博1本
だけで最初から最後まで頑張ったようだ。途中で、金庫屋さんと相談して、「くろち
ゃん」だけ残してホテルへ帰ることにした。「身ぐるみ剥がれなさいね。タクシー代
だけは残しておくのですよ。」と親切な捨てぜりふを残す。
インスピ (完)