事務局きまぐれ日誌(第2号)


JSC月報2号

パソコン通信・・・こぼれ話

今や、FAX網が完備され、諸連絡は通常の場合、これを使用することが多い。これ
についても、その昔、我々チェーンでは、萩原氏の提案で各役員のところへ強制導入
をしたことがあった。NTTの出始めの頃だった。電話で文字や図形が送信できると
喜んだものだ。あの頃から比べると格段に品質も良くなっている。その後、我々チェ
ーンの月例会でも、「すがや みつる」氏に講師になってもらって「パソコン通信」
について学習したことがある。ほとんどの皆さんは、忘却の彼方だと推察する。

本当は、FAXよりパソコン通信のほうが数段も便利なのだが、パソコンと聞いただ
けで虫酸が走るという方も、まだまだ多い。特に、キーボードに対するアレルギーは
強いようだ。JIS配列というのやら色々の配列があり、まるで素人を寄せつけない
ように並んでいるとしか思えない複雑なキー配列である。これは、慣れるしかない問
題だから、ここで、ああだこうだといってもはじまらない。

パソコン通信といっても色々なホスト局がある。全国ネットからローカルネットまで
合計すると、今や数千局ぐらいはあるだろう。諸外国のネットもあるが、国内だけの
話でも、それくらいはある。最近は、ゲートウェイといって、電子メールの相互乗り
入れも出来るようになっている。また、FAXも電子メールサービスの一環として扱
うネットも増えてきた。私は、PC−VANとニフティに入会しているが、どちらも
FAXサービスを扱っている。この機能を使用すると、相手のFAX用紙に鮮明な文
字を送信できる。ゴミがゼロの状態で届く。

でも、しかしである。紙で貰った情報というのは、正直言って使い勝手が悪い。特に
校正を必要とする原稿の場合、届いた原稿を再度タイプ入力しなければならない。ど
うせ朱を入れてタイプするから同じことだと言っても、何度もとなると嫌になる。こ
れがパソコン通信のメールならどうか?相手から届いた電子メールを自分のマシンに
ダウンロード(受信)すれば、相手が作成したものと同じ文書が自分のマシン(ワー
プロでも、パソコンでもO.K)データとして入手できる。それをディスプレー(画
面)上に表示させて、簡単に校正したり編集したりできる。時には追加や削除して、
より完成度の高い原稿に手直しすることだってお手のものだ。

最近では、このパソコン通信を使用した本の作成がブームになりつつある。古くは、
いわゆるログ本で、ボード(パソコンの掲示板)に掲示されたメッセージを簡単に編
集して本にしたものだったが、断筆宣言した作家の筒井氏が新聞連載小説を掲載して
いた当時、同時進行でパソコン通信ネット(朝日ネット)の上でも「朝のガスパール」
の話題で盛り上がっていた。もちろん、当の筒井氏も連日、ネットに顔を出しコメン
トされていた。そのログ集は、氏が編纂されて書店で販売された。もっと新しくは、
ニフティサーブのFBOOKというフォーラムで「小説工房」というボードがある。
作家の水城 雄氏が指導する、誰でも小説を書けるようになるという趣旨でスタート
したのだが、すでに優秀作品を編集して1冊の本を出版している。今年も3月10日
に第2弾が発売されたところだ。いずれも1800円。

さらに言うならば、ネットの中でも特別課金のかかる場所にプロの作家が新聞連載小
説ならぬ、ネット連載小説を掲載している。これが完結する都度、編集して出版もし
ている。電子出版だから、校正も編集もスピードが早い。あっという間に本の完成だ。
新聞連載小説なら誰でも読もうと思えば読める。しかし、ネットの中だと通信に携わ
っているメンバーだけのものだ。それが突然、世の中に出現してくるようになった。

パソコン通信というものも、相手が開始してくれないと業務連絡には使えない。切手
代が値上がり傾向にある今が、他人に勧めるチャンスかもしれないと思っている。な
にしろ、相手が東京だろうと北海道だろうと、市内電話料金プラスアルファ程度の費
用しか必要ないのだから・・・・・・